INFORMATION司法書士のための業界コラム

2018.12.12

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法について

「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」が平成30年6月13日に公布され、その一部が平成30年11月15日に施行、来年6月1日に残りすべてが施行される予定です。

 

この特別措置法が成立した背景は、

1.人口減少・高齢化の進展に伴う土地利用ニーズの低下や地方から都市等への人口移動を背景とした土地の所有意識の希薄化等により、所有者不明土地が全国的に増加。

2.今後も、相続機会の増加に伴って所有者不明土地も増加の一途をたどることが見込まれている。

3.所有者の特定等に多大なコストを要するため、公共事業の推進等の遅れが生じている。

 

一般的に、地方の山間部で所有者不明土地が多いと言われています。その理由として、土地の所有者が亡くなった後、その所有者の息子や孫が地元を離れたことで登記を済ませていないといったケースが主な原因です。

国土交通省の「平成28年度 地籍調査における土地所有者等に関する調査」によると、所有者不明土地は全体の20%、土地面積にすると約410万haに相当(参考 九州の土地面積:368万ha)になるそうです。

所有者不明土地があると、不法投棄、土地の再開発利用が進まなくなるといった問題も生じやすくなるので、早急な対応が求められてきました。

 

所有者不明土地を増やさないための法律の概要は次のとおりです。

 

(1)所有者不明土地を円滑に利用する仕組み

反対する権利者がおらず、建築物(簡易な構造で小規模なものを除く。)がなく、現に利用されていない所有者不明土地について、以下の仕組みを構築。

○ 公共事業における収用手続の合理化・円滑化(所有権の取得)

国、都道府県知事が事業認定した事業について、収用委員会に代わり都道府県知事が裁定

○ 地域福利増進事業の創設(利用権の設定)

地域住民等の福祉・利便の増進に資する事業について、都道府県知事が公益性を確認し、一定期間の公告に付した上で、利用権(上限10年間)を設定(所有者が現れ明渡しを求めた場

合は、期間終了後に原状回復、異議がない場合は延長可能)

 

(2)所有者の探索を合理化する仕組み

○ 土地の所有者の探索のために必要な公的情報について、行政機関が利用できる制度を創設

○ 長期間、相続登記等がされていない土地について、登記官が、長期相続登記等未了土地である旨等を登記簿に記録すること等ができる制度を創設

 

(3)所有者不明土地を適切に管理する仕組み

○ 所有者不明土地の適切な管理のために特に必要がある場合に、地方公共団体の長等が家庭裁判所に対し財産管理人の選任等を請求可能にする制度を創設

 

一部施行された平成30年11月15日から、今後相続登記が放置されるおそれのある土地に対応するため、一定の資産価値が高くない土地についての相続登記の登録免許税の免税措置も開始されました。

「市街化区域外の土地で市町村の行政目的のため相続登記の促進を特に図る必要があるものとして法務大臣が指定する土地のうち、不動産の価額が10万円以下の土地に係る登録免許税の免税措置」

 

※免税を受けるには,申請書への法令の条項の記載が必要です。

「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と申請書に記載(記載がない場合は免税措置は受けられません)

 

※免税対象となる法務大臣が指定する土地については、法務局・地方法務局のホームページに掲載されています。

 

上記、申請書への記載例、法務大臣が指定する土地については法務局HPに掲載されています。

 

【法務局HP】

http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html

資料請求・体験デモのご依頼はお気軽に!

カタログ請求
無料デモ/コンサル