司法書士の業務は、登記や相続、企業法務など、専門性の高さが求められる分野です。
しかし、いくら知識や経験が豊富でも、「信頼される存在」になれなければ依頼は増えません。
今回は、司法書士が信頼を築くために実践すべき営業戦略を具体的に解説します。
1. 「安心感」を第一に伝えるブランディング
司法書士の営業において、最も重要なのは「この人になら任せても大丈夫」と思ってもらうことです。
そのために意識したいのが「見せ方の統一」と「情報発信の一貫性」です。
・ホームページや名刺のデザインを統一し、誠実で落ち着いた印象に
・代表者プロフィールに「想い」や「実績」を明確に記載
・事例紹介やお客様の声を掲載し、第三者視点の信頼を補強
オンライン上で初めて接する人に安心感を与えることが、信頼構築の第一歩になります。
もしデザインやブランディングに自信がない場合はプロに頼るのもひとつの方法です。また最近ではオンラインでフリーだったり低価格のデザインも手に入れやすくなりました。
自身でそろえていく場合には色やトーン、指針などを大まかでもいいので決めて選定するようにしましょう。
2. 相手の「不安」に寄り添うヒアリング力
営業活動の中で「説明」ばかりに時間を使っていませんか?
司法書士に相談するお客様の多くは、登記や相続などの手続きに不安を感じています。
そこで求められるのが、「聞く力」です。
・相手の話を最後まで遮らずに聞く
・法律用語ではなく、やさしい言葉で説明する
・「不安な点はほかにありますか?」と一言添える
・話した内容と今後の流れをまとめてメールで送る
このような丁寧な対応が、「この人は本当に自分の話を聞いてくれる」という安心感につながります。
3. 顧客接点を継続する「アフターフォロー営業」
信頼は一度の取引で終わりません。
手続き完了後も、定期的に接点を持つことで長期的な関係が築けます。
・手続き完了後に「お礼メール」や「季節のご挨拶」を送る
・相続・商業登記の最新情報をニュースレターで発信
・定期的な無料相談会を実施し、リピート・紹介を促進
フォローを続けることで、次の依頼や紹介へと自然につながります。一度きりの関係性ではなく継続的につながる“顧客”として関係性を育んでいきましょう。
4. 専門性を発信する「情報マーケティング」
現代の営業は、「売り込む」よりも「見つけてもらう」時代です。
自分の専門分野をブログ・SNS・セミナーなどで積極的に発信することで、「この分野なら○○司法書士」というポジションを築けます。
・「相続登記の義務化」や「会社設立手続き」などの最新トピックを解説
・動画・コラムでわかりやすく情報提供
・司法書士業務支援システム「司法くん」などを活用し、業務効率化で時間を生み出す
情報発信と業務効率化を両輪で進めることで、営業活動の質を高められます。人的ミス、ケアレスミスで失ってします関係性もあります。初期投資として業務効率化のシステムやツールはぜひ導入しておきましょう。信頼という費用以上のリターンが見込めるはずです。
まとめ:信頼の積み重ねが、最強の営業戦略
司法書士の営業活動は、商品や価格で競うビジネスとは異なります。
お客様が重視するのは「誰に頼むか」という点――つまり、“人としての信頼”です。一度の相談で終わらず、「またお願いしたい」「知人に紹介したい」と思ってもらえるかどうか。
その差を生むのは、日々の誠実な対応や小さな気配りの積み重ねです。
たとえば、初回面談の丁寧なヒアリング、手続き後のフォロー、定期的な情報発信。
これらを続けることで、自然と口コミや紹介が広がり、安定した依頼につながっていきます。
また、業務効率化ツールやシステムを活用することで、事務処理に追われる時間を減らし、
「顧客対応に時間を割ける環境」を整えることも、信頼を育てる大切な投資です。
最終的に、司法書士にとっての営業とは「信頼関係をデザインすること」。
短期的な成果ではなく、誠実さ・専門性・継続性の三つを軸にした信頼づくりが、
長く選ばれ続ける事務所をつくる鍵となります。
