1 フリーランスとは

1 フリーランスの定義
特定の企業や組織に属さずに、自らの技能を提供することで働く人々を「フリーランス」と呼びます。フリーランスは「自由業」と呼ばれることもあります。フリーランスは通常単発で仕事を請け負います。フリーランスには企業のような所属先がありません。フリーランスが税務署に開業届を提出すると「個人事業主」と呼ばれます。2 フリーランスのメリットとデメリット
フリーランスのメリットとデメリットをご紹介します。 フリーランスのメリット 会社員と同じ仕事をする場合、フリーランスの方が収入は大きくなる傾向があります。会社員は雇用契約で定まった給料を受け取りますが、フリーランスが受け取るのは売上そのものです。働き方の自由度が高いことも、フリーランスの大きなメリットです。フリーランスの場合、売上を上げている限りなんの制限もありません。フリーランスは働き手として鍛えられ、実力がアップします。好きな仕事を選んで集中できることや、さまざまな立場の人々と共同して仕事をすることで、スキルの面でも、経営能力の面でも実力が上がります。 フリーランスのデメリット フリーランスの最大のデメリットは、収入が安定しにくくなることです。会社員は、雇用契約や労働契約の仕組みに守られています。会社員には、契約を守って働いている限り、売上の如何に関わらず毎月一定額の収入が得られます。フリーランスを支えるのは自分で稼いだ売上だけです。フリーランスは多くのことを自分で決めて実行しなければなりません。事業管理、スケジュール管理、体調管理、将来に向けての資産形成。フリーランスはこうした事柄にエネルギーを割く必要があります。 インボイス対応について インボイス制度の開始により、基準期間や特定間の課税売上高等が1,000万円を超えない場合は免税事業者として活動してきたフリーランスも課税事業者になることを検討するかもしれません。例えば取引先に課税事業者が多い場合などです。適格請求書発行事業者への登録は任意です。ここはよく検討しましょう。またどのタイミングでなるかで課税開始日が異なるので、注意が必要です。3 フリーランスになる方法
一般的に、フリーランスは自分のスキルを提供してお金を稼ぐビジネスです。なんのスキルもない人がフリーランスになるのは難しいでしょう。その点、司法書士は誰でも取れる資格ではないので、フリーランスに必要な仕事のスキルを身に付けたと言えます。問題はスキルがあるだけではフリーランスにはなれないということです。フリーランスは、個人事業主として、自ら仕事を受注しなければなりません。フリーランスが仕事を受注する主な方法は、 ・クラウドソーシングサイトから案件を受注する ・友人などの人脈から受注する ・営業活動する ・ウェブ上で情報を発信することで受注に結びつける です。フリーランスの司法書士は、これらの手段を使って、自分で仕事を受注する必要があります。2 フリーランスとしての司法書士の特徴

1 フリーランス司法書士の職務内容
司法書士の主な職務は、 ・不動産登記 ・法人登記 ・成年後見 ・相続・遺言 ・債務整理 ・裁判に関する業務 です。住宅の売買に関連する不動産登記と、会社の設立などに関連する法人登記は、今日でも多くの司法書士事務所の主力業務です。登記の仕事は以前に比べて減っているので、成年後見や相続・遺言に力を入れる司法書士事務所が増えてきました。認定司法書士の資格を取ると、司法書士は簡易裁判所で少額の民事訴訟の代理人として業務を行うことができます。 フリーランスの司法書士は、経営者として、これらの業務を受注・遂行・経営管理することになります。2 フリーランス司法書士の収入
司法書士はフリーランスの分類の中では「専門・士業系」に属します。「専門・士業系」のフリーランスの約3割が年収800万円以上です。士業のフリーランスは才覚があれば十分な年収を稼ぐことができます。しかし、「専門・士業系」のフリーランスの2割弱は年収200万円未満であり、約3割は年収400万円未満です。士業のフリーランスの年収を決定するのは、スキルの要素以上に、営業力の要素が大きくなります。資格は一定のスキルがあることを証明するものですが、営業力についてはなんの情報も与えません。フリーランスの司法書士に限った平均年収は、600万円程度であると見られています。3 司法書士はフリーランスになりやすい資格
司法書士はフリーランスになるうえで有利な資格です。司法書士の人数の増加、主力業務である不動産登記の件数が減ったこと、都市部を中心として、司法書士が会社員として働く司法書士法人が台頭してきていることなど、司法書士の独立を取り巻く環境は厳しくなっているものの、今日でも司法書士の有資格者の多くは、資格取得後数年で独立しています。司法書士の独立しやすさの背景には、資格の希少性とともに、開業費用があまりかからないこともあります。3 フリーランスの司法書士になるには
