前編では、司法書士にとってのブランドとは「地域でどう認識されているか」であり、日々の接点の積み重ねが重要であることを解説しました。続編では、実際に何から着手すればよいのか、ブランドを形にするための具体的なステップを紹介、伝わらない専門性を選ばれる価値に変える実践ステップです。
1. まずは「強み」を言語化する
多くの司法書士が、自分の強みを正確に言葉にできていません。
「経験が豊富」「丁寧に対応している」だけでは、他事務所との差は伝わりません。
強みを見つけるために3つの質問をしてみましょう。これらを整理すると、「あなたが地域で自然に選ばれている理由」 が見えてきます。
Q1. どんな相談を一番多く受けているか
Q2. 依頼者からよく言われる言葉は何か
Q3. 他士業から頼られる場面はどこか
2. 強みを「一文のメッセージ」に落とし込む
強みが見えたら、それを短いメッセージにします。
ポイントは「専門家目線」ではなく「依頼者目線」で書くことです。
メッセージの例を挙げましょう。
「相続の不安を、分かりやすく整理する司法書士」
「初めての会社設立でも迷わない登記サポート」
「高齢のご家族にも安心な相続手続き」
この一文が、公式サイトや名刺、事務所案内、セミナー資料など、すべての発信の軸になります。
3. ブランドは“発信の統一感”で強くなる
ブランド戦略で重要なのは、一貫性です。
発信内容がバラバラだと、せっかくの特長やアピールポイントの印象が薄れてしまいます。
統一すべきポイントとしてまずは以下の3つを参考に統一していきましょう。
すべてを完璧に揃える必要はありませんが、「方向性が揃っているか」 は常に意識しましょう。
① 得意分野(相続・法人・不動産など)
② 語り口(堅実・親しみやすい・専門特化など)
③ ターゲット(一般家庭・経営者・高齢者)
依頼者の心象を左右する語り口とは?
語り口とは、「専門知識を、どんな態度で、どんな言葉で渡すか」といったことを指します。
例えば伴走型(安心・共感重視)を目指すなら、特長として以下が上げられるのではないでしょうか。
・まず不安を受け止める
・専門用語を極力かみ砕く
・「一緒に整理していきましょう」という姿勢
向いているケースとしては相続、高齢者や家族案件、初めて司法書士に相談する依頼者でしょう。
強みとしては「話しやすい」「紹介しやすい司法書士」になりやすいでしょう。
スピードや実用を重視する実務型なら特徴として以下が上げられるでしょう。
・結論から伝える
・手続きの流れ、期限を明確化
・無駄のない説明
向いているケースとしては不動産決済、会社設立、経営者への対応でしょう。
強みとして「仕事が早い」「段取りが良い」という評価につながります。
4. 地域で信頼を積み上げる「小さな露出」を増やす
ブランドは広告よりも、接触回数によって記憶に残ります。取り組みやすい施策例として
・地域向けのミニセミナー開催
・商工会、自治会での情報提供
・地域紙・会報への寄稿
・公式サイトでのコラム更新
「目立つ」必要はありません。“ちゃんと活動している司法書士”として認識されることが重要です。
5. 依頼後の体験がブランドの完成度を決める
どれだけ発信しても、最終的にブランドを完成させるのは依頼後の体験です。この一手間が、「また相談したい」「誰かに紹介したい」という感情につながります。体験価値を高めるポイントをまとめます。
・進捗報告をこまめに行う
・専門用語を使う前に必ず噛み砕く
・手続き終了後に「次に困りやすいこと」を一言伝える
まとめ:ブランドは“戦略”であり“習慣”である
司法書士のブランドづくりは、特別な才能や派手な施策が必要なものではありません。
重要なのは、「強みを言葉にする」「発信に一貫性を持たせる」「地域との接点を丁寧に重ねる」こと。
この習慣を続けることで、「この地域なら、この司法書士」 という立ち位置が自然と築かれていきます。
