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合格したら即開業可能?司法書士の開業戦略をご紹介

司法書士は独立・開業を目指せる資格です。司法書士として独立・開業するためには、業務を的確にこなせることとともに、経営者として事務所をやりくりしていく力も求められます。資格取得後数年の勤務経験を経てから開業することが一般的ですが、条件がそろえば資格取得後に即開業することも可能です。司法書士の独立・開業について体験談をもとにまとめます。

1 司法書士の魅力

独立しやすいことは、司法書士資格の大きな魅力です。独立・開業すると一般的な会社員とは違い仕事の一部分を担当するのではなく全体を考えながらお客様と交渉する立場になります。

1 目に見える形でお客様に貢献できる

開業後の仕事は部分的・定型的なものばかりではありません。開業司法書士として依頼者の話をよく聴き、専門家の視点から、依頼者にとって一番利益となる方法を提案します。責任は重大ですが、依頼者から直接感謝される喜びがあります。自分の仕事が社会に対してどのような貢献をしているのかが見えやすく、難しい仕事をこなせた時に喜びを感じることができます。

2 独立しやすい

司法書士は独立しやすい資格です。なんらかの事業を起こして独立することを考えた場合、開業資金の壁を越えなければなりません。司法書士事務所は一般的な事務機器と応接設備だけで開業でき、在庫を考える必要もなく、ランニングコストも少ないです。自宅で開業すれば、当面の生活費を除くと30万円程度で開業できます。

3 合格即開業も可能

司法書士であれば、合格後すぐに開業することも可能です。実際に独立後即開業する司法書士も少なくありません。試験は実務に直結しているので、合格すれば一定の実務能力も身につきます。合格後の研修制度も充実しているので、研修中に人脈を作り、独立に備えることができます。

4 社会人からなれる

司法書士は社会人から独立にチャレンジできる資格です。司法書士試験合格者を年齢別に集計すると、30代が約4割、40代が約3割を占めています。こうした人々の多くは数年以内に開業します。社会人になってしばらくしてから資格の勉強を始め、試験に合格し、開業するという流れができているのです。

5 生涯現役

司法書士の開業後に定年はありません。やる気と体力が続く限り、いつまでも仕事を続けられます。平均年齢は54歳であり、もっとも多い年代は40歳代で全体の31.5%を占めています(2023年4月1日時点)。60代、70代で活躍している司法書士が数多くいます。

2 司法書士業界の変化

近年、司法書士業界に大きな変化が訪れています。司法書士として開業に成功するためには、経営者として司法書士を取り巻く環境の変化に適切に対応する必要があります。成功の秘訣は、強さや賢さではなく変化に対応する能力です。司法書士業界の近年の変化を見ておきましょう。

1 司法書士は増加している

司法書士の数は増加しています。司法書士の人数は2007年の18,520人から2017年の22,283人まで10年間で3763人率にして約20%増加しました。それから引き続き、増え続けていて2023年4月1日時点では、司法書士会員数は23,059人となっています。

近年の新規登録者数は900人前後であり、登録取消者数は600人前後なので、司法書士は毎年300人前後増えていることになります。地域別にみると大都市圏で司法書士が増えていますが、地方では減少傾向にあります。司法書士や弁護士がいないという市町村も全国に多数あります。

2 隣接士業との競合

司法書士の隣接士業には弁護士や行政書士があります。弁護士の人数は2007年の23,119人から2017年の38,980人まで15,861人率にして約69%増加しています。弁護士とは訴訟や相続などで競合する可能性があります。行政書士も増えています。司法書士は商業登記の分野などで行政書士と競合する場合があります。競合に勝つために周辺の法令も身に着け、付加価値の高いサービスを提供する必要があります。

3 司法書士法人の台頭

司法書士の事務所はこれまで個人に限定されていましたが、司法書士法の改正により2003年から法人化が可能となりました。司法書士法人数は2007年には219法人でしたが、2017年には624法人に増えています。司法書士法人もまた、大都市圏、とくに東京に集中する傾向があります。法人化の解禁以外にも、広告の自由化と報酬の自由化という規制緩和が行われました。司法書士事務所を開業するためには、都市部では司法書士法人に勝てるだけの差別化が必要です。インターネットを活用した広告、報酬の自由化の中で価格競争を避けるためのサービスの高付加価値化が必要です。

3 司法書士の開業戦略

ここからは司法書士事務所の開業戦略をご紹介します。

開業する前に勤務司法書士として数年勤務するのが一般的ですが、この期間は必ずしも必要ではありません。開業に必要なのは実務能力と経営戦略と人脈です。これらの準備ができていれば司法試験に合格した後、即開業できますし、準備なしで開業すれば失敗の可能性が高まります。

1 成功の要は新規顧客の獲得

事務所を経営するためには継続的に仕事を受注する必要があります。登記件数が減少する中では、事務所を構えただけでは仕事は来ません。営業力を付けて顧客を獲得する必要があります。永久に取引を続ける顧客はいないので、毎月あるいは毎年一定数の顧客を獲得する必要があります。

2 新しいサービスの構築

登記件数が減少していることや、中には組織全体として業務を効率化して「登記工場」のようなシステムを整え、価格競争に出ている法人もあることから、開業するためには新しいサービスを構築する必要があります。新しいサービスとして有望視されているのはコンサルティング力の強化です。顧客は開業など事業に新しい展開があったときに、司法書士事務所を訪れます。登記などの実務を正確に行うだけではなく。ビジネス上の相談に応じ、顧客の選択を助けることで、付加価値の高いサービスを実現できます。

3 事務所のイメージ

営業や集客を考えたとき、事務所のイメージも重要です。事務所名を漢字ではなく、ひらがなで表記することで親しみが湧きます。試験に合格した後、すぐに開業したある事務所ではイメージ戦略として全面ガラス張りの物件を借りました。家具や観葉植物にもお金をかけたので開業資金だけでも700万円ほどになったようです。このように、お金をかけたことで、来客者誰もがリラックスできる環境になり、ワンランク上のサービスが実現したという例もあります。

4 開業資金の集め方

開業資金の集め方には、自分で資金をためる方法と、金融機関から資金を借りる方法の2通りがあります。自宅開業であれば生活費を除くと30万円ほどでも開業できるので自己資金で十分でしょう。

高いレベルの経営戦略を実現したい場合は、開業資金もかさむので金融機関からの融資を考えます。日本政策金融公庫の創業融資制度を使うと無担保・無保証で融資を受けられます。また、地元の銀行ともつながりを作るという利点を重視し、信用保証協会の融資を選択する方もいます。

5 人脈の作り方

開業に成功するためには人脈がとくに重要です。仕事は人脈の中から回ってきます。人脈には、顧客の人脈、先輩や同期など同業者の人脈、関連士業や金融機関、不動産業など仕事上補完関係にある人々の人脈、地域の人脈などです。そうして得た仕事で良い評判をもらえば、新しい顧客を紹介してもらえるでしょう。試験合格後の研修は先輩や同期との知己を得る格好の機会ですから、仕事に関連した人脈を積極的に作りましょう。無料相談会やお祭りなど地域のセミナーや行事に参加して、地域の人々の認知してもらうことも重要です。

4 まとめ

以上、司法書士の開業について、即開業した例を中心に、成功の秘訣をまとめました。司法書士事務所の開業は、決して簡単なことではありませんが、司法書士試験に合格後、即開業することは可能であり、成功例も多数あります。開業に成功した方々の体験を聞くと、いい加減な気持ちではなく開業後のイメージを明確に持っていたことが分かります。経営のイメージを明確化して具体的な準備を行いましょう。

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