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司法書士は開業したあとが大変!?司法書士の大変さと解決方法をご紹介

「司法書士の仕事が減ってきているにも関わらず、司法書士は増え続けている。」

このような主張を見たり聞いたりしたことがある人も多いのではないでしょうか。このような主張を目にしたときに大事なことは、すぐに動揺しないで、主張が事実であるかどうかを冷静に吟味することです。司法書士の仕事と人数がどのように推移しているのかを数字で確認してみます。司法書士を取り巻く現状を正確に把握したうえで、現代に適合した開業戦略を考えてみましょう。

1 司法書士業界は縮小傾向?

長期的な流れとして、不動産登記や商業登記の件数が減少していることは事実です。しかし、最近は持ち直しの傾向も見えてきていることや、成年後見や相続など、高齢化に伴う仕事は増加傾向です。全体をよく見ると、一概に司法書士業界が縮小傾向にあるとは言えないことがわかります。

1 司法書士の仕事が減ってきた?

司法書士の仕事に件数や、司法書士の仕事に深く関わる案件の件数について、種類別の推移を確認してみましょう。ここ10年ほどの推移をみると、不動産登記や会社登記など、これまで司法書士の主要な業務であった登記の件数が減少傾向にあることとともに、成年後見や遺言などの分野で、司法書士に対する新たな需要が生まれてきていることがわかります。

不動産登記の件数の推移

最近の9年間、2007年(平成19年)から2016年(平成28年)までの土地と建物に関する登記件数の合計は、14,851,042件から11,639,618件まで、約22%減少しました。ときに減少から増加に転じる年もあったものの、基本的には1年あたり2~3%の減少傾向が続いています。不動産登記は、建物を新築したときなどに発生する表題登記と、既存の物件の売買などで発生する権利登記にわけられます。権利登記は同じ期間中に約10%減少しましたが、相続に関する権利登記と抵当権の設定に関する権利登記はむしろ増えました。詳しい数字はご紹介しませんが、権利登記の件数は、2012年(平成24年)に一度上昇してからもう一度緩やかな減少傾向に入っているようです。

会社登記の件数の推移

最近の9年間、2007年(平成19年)から2016年(平成28年)までの会社登記の件数は、1,647,660件から1,261,476件まで約23%減少しました。はじめの3年間の減少幅が大きかったのですが、その後むしろ増加に転じています。

成年後見人などの選任件数の推移

成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な人々が遺産分割や契約をするのを保護し、支援する制度です。成年後見制度は、法的後見制度と、任意後見制度にわかれます。法的後見制度では、家庭裁判所が成年後見人を選任します。

最近の10年間、2006年(平成18年)から2016年(平成28年)までの、成年後見人などの任命件数は、30,101件から37,421件まで約15%増加しました。そのうち司法書士が選任された件数は、1,820件から9,408件まで5倍以上の増加を記録しました。総件数のうち司法書士が選任された割合も、約6%から約27%まで大幅に増しました。成年後見の分野における司法書士のプレゼンスは、件数の面においても、シェアの面においても、目を見張る勢いで伸びています。

任意後見契約件数の推移

任意後見制度は本人の判断能力が十分であるうちに、判断能力が不十分になった場合に備えて、面倒を見てもらいたい人をあらかじめ選んで契約する制度です。任意後見の契約に関わる事務手続きを、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。

最近の10年間、2006年(平成18年)から2016年(平成28年)までの、任意後見契約件数は、5,385件から10,559件まで約2倍に伸びています。一時的に減少に転じた年があるものの、基本的に増加傾向が続いています。任意後見が増加している背景には、人口の高齢化にともない、認知症などにより成年後見を必要とする人々の人数が増えていることとともに、任意後見制度に対する認知が高まってきたことがあると考えられます。

公正証書遺言件数の推移

公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言で、原本は公証役場に保管されます。公正証書遺言は、自筆遺言に比べて無効になる可能性が低く、紛失したり偽造されたりする恐れがない、確実な遺言方法です。公証役場で、自分で公正証書遺言を作ることは可能ですが、適切な文言で文書を作成するために、弁護士、司法書士、行政書士などに遺言の作成を依頼するのが一般的です。

最近の10年間、2006年(平成18年)から2016年(平成28年)までの、公正証書遺言件数は、72,235件から105,350件まで、約50%伸びています。大きな伸びを示す背景には、人口の高齢化とともに、相続・遺言に対する関心が高まっていることが考えられます。

2 司法書士の廃業が増えている?

司法書士の人数は増え続けています。最近の10年間の伸びには大きなものがあり、2007年(平成19年)から2017年(平成29年)までに、司法書士の人数は、18,520人から22,283人まで、約20%増加しました。司法書士の新規登録者は同じ期間に1,096人から878人まで20%減るなど、減少傾向にありますが、登録取消者数は、毎年600人前後であまり変わっていません。この間の業務廃止による登録取り消し者数も400人前後であまり変わっていませんが、より長期のデータをみると、司法書士の廃業は増えています。しかし、長期的に司法書士が増えたことや、高齢になった司法書士が引退することを考えれば、このことは、必ずしも司法書士の経営環境が厳しくなったことを意味しません。

3 近年の司法書士を取り巻く状況の変化

近年の司法書士を取り巻く変化としては、人口の高齢化、少子化、人口減少、インターネットの発展が考えられます。2005年頃をピークとして人口が減少局面に入ったこと、少子化などにより新規の住宅着工数が減っていることなどにより、登記の件数が減っていると考えられます。インターネットの普及により、自分で登記を行う人が増えていることも考えると、登記に関してはかなり厳しい状況になってきていると言えそうです。しかし、人口の高齢化は、成年後見や遺言などの分野で、司法書士に対して新たなチャンスをもたらしています。

2 司法書士が開業を成功させる秘訣

司法書士が開業を成功させるには、3つのことを考える必要があります。第1は、今後需要が増える分野にいち早く取り組むこと、第2は登記など従来型の仕事を増やすために人脈を作ること、そして第3に、競争の中で差別化を図ったり、競争が少ない地域で開業したりすることです。

1 司法書士は新規分野に活路を見出せ

厚生労働省の推定では、認知症患者の人数は今後も長期的に増加していくことが予想されています。すでに確認したように、成年後見や遺言の分野で、司法書士に対して新たな追い風が吹いていますが、この傾向は今後も長期に渡って続いていくことでしょう。登記の仕事をしっかりとやることも重要なのですが、今後は、高齢化に伴う需要や、外国人の、企業コンサルティング、外国人の受け入れなどの分野に進出することが求められています。

2 司法書士は人脈がないと仕事が来ない

登記の分野では、受注の仕組みが少し特殊です。会社登記の仕事の獲得経路を考えてみましょう。新しく会社を作る起業家が税理士事務所と契約します。そのとき税理士事務所は会社登記のために司法書士を紹介します。このように、司法書士は紹介から仕事を獲得することが多い職業です。土地建物の登記のために不動産業者、金融業者との人脈を作ること、商業登記などのために税理士など関連士業と人脈を作ることが重要です。

3 司法書士の開業戦略はこれ

開業したばかりの司法書士事務所は小さくて弱いものです。そのような企業が生き残るための戦略として、ランチェスター戦略をご紹介しましょう。この戦略の要点は、競争相手に規模の優位性を発揮させないようにするために、できるだけ分断されたフィールドで戦いましょうというものです。ランチェスター戦略の個別的なレパートリーは、局地戦、一点集中主義、差別化、接近戦、No1主義と言われています。ランチェスター戦略は、競争相手が多い都市部で開業するときには特に有効です。

競争が少ない地方を選ぶ開業戦略もまた有効です。地域にどれだけ司法書士事務所があるか、人口、年齢構成、生活形態、産業形態などを良く調べて、競争相手が少ない地域で適切な方針で経営を行うことで、開業の成功する可能性を高めることができます。

3 まとめ

司法書士は開業した後が大変だとよく言われます。確かに、司法書士が従来行ってきた登記の仕事が減少傾向にあることは否めません。しかし、その減少傾向も、一時期と比べると落ち着いてきています。また、人口の高齢化に伴う相続や遺言、成年後見などの仕事の件数はかなりの勢いで増えてきていますし、今後もこうした流れが続くことが予想されています。大きな苦労を経験することなく司法書士を開業するためには、時代の流れをよく読んで、これから需要が高まる分野に積極的に取り組む必要があります。

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