今月6月1日から職場の熱中症対策が義務化されました。主に屋外で作業する方に向けられた対策要綱ですが、夏場から秋は通勤時間帯の朝や早朝でも気温が下がらず、年々暑さも過酷さを増す中、職場や日中でも外出が多い場合には熱中症対策は必須と言えます。改正労働安全衛生規制を参考に司法書士事務所でも心がけたい熱中症対策についてまとめます。
熱中症の重症化は増加している
熱中症は死亡災害に至る割合が他の災害に比べ、約5倍から6倍とされています。近年屋外に問わず熱中症が増えていますが、死亡に至るケースも増加傾向にあります。ほとんどのケースが初期症状の放置、そして対応の遅れが誘発しているとされています。
死亡者のうち7割が屋外で作業をしている方たちですが、気候変動の影響を考えると今後も増加の懸念、そして外出をする機会が多い場合にも影響が及ぶ可能性があります。
熱中症の症状を改めて確認する
WGBTという気温、湿度、日射量などをもとに計測する暑熱環境による熱ストレスを測る指標があります。この値をもとに身体の作業強度を比べ、対策することも重要です。
初期症状として手足がつる、立ち眩み、めまい、吐き気、汗のかき方がおかしい(汗が止まらない、汗が出ない)、生あくび、ボーとする、イライラする、フラフラするなどあります。
熱中症は早期発見が何よりも大切です。自分を過信せず、症状が現れた場合はすぐに身体を冷やす、水分補給をする、涼しい場所で休憩するなどし、重症が疑われる場合には速やかに医療機関にかかりましょう。
重症化させないための対策
暑さを避け、熱さから身を守ることが大切です。体の蓄熱を避けるため通気性のいい、吸湿性や速乾性のある衣服を着用しましょう。水分だけでなく保冷剤や冷たいタオルなど冷却グッズの常備も心がけましょう。屋内屋外問わず、こまめな水分補給は必須です。
屋内対策
エアコン等で温度調節、遮光カーテンやすだれ、緑化でも対策を。室温をこまめに確認しましょう。
屋外対策
日傘や帽子を着用、日中特に暑い時間帯の外出を避ける、こまめな休憩
まとめ
熱中症患者のおよそ半数は65歳以上の高齢者です。理由として暑さや水分不足に対する身体の感覚機能や調整機能が低下しているためですが、一年中同じ気温で設定された屋内で長時間過ごす現代人には総じてあてはまりやすいのではないでしょうか。汗腺トレーニングや季節に応じた食事など、暑さに対応しやすい身体づくりも平行して行っていきましょう。