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司法書士が独立開業するための資金はいくら必要か?

司法書士は資格を取得した後に、どこかの事務所に勤務して実務を学んだあと、独立して開業するのが一般的です。この記事では司法書士の開業資金について解説します。

1 独立開業して一人前?開業した方が儲かる?

データを見る限りでは、勤務を続けるより独立開業するほうが高年収を期待できるようです。しかし独立開業には失敗のリスクが伴うことを忘れてはなりません。

1 勤務司法書士の年収

どこかの事務所に勤務する勤務司法書士の初任給は年収ベースで240万円~360万円程度です。司法書士事務所の場合年功で給与が上がるわけではありません。

司法書士白書2021年版」によると、経営者以外の司法書士は「300〜400 万円未満」が一番多い年収で、およそ2割を占めています。

2 開業司法書士の年収

日本司法書士会連合会「司法書士白書2021年版」によると、独立開業した司法書士の平均年収は453.9 万円となっています。

これに加え、多くの支出を事務所の経費に回せるので実質的な収入はこれよりも高くなると言えます。

3 年収1000万や2000万は実現可能なのか?

1,000万円以上の割合(無回答を除く)は12.8%います。つまり、8人に1人以上が年収1,000万円超ということになります。

その一方、年収200万円未満もいて、他の仕事や年金からの収入を得ている人もいます。このように、開業により高収入を期待できることは確かなようですが、そこにはリスクを伴います。

2 開業資金はいくら必要か?

司法書士として開業するためにはどのような費用がかかるのでしょうか。必要になる経費を見ていきましょう。

1 事務所費用

事務所の形態によって必要な資金は異なります。開業する場所にもよりますが、マンションの1室を事務所にする場合、賃貸のために20万円~40万円程度必要です。自宅開業、共同事務所、間借り開業などで費用を軽減することができます。

2 登録費用

はじめて開業する際には司法書士会への司法書士登録が必要です。これにはトータルで10数万円の費用が発生します。司法書士手として登録したあと、月額2万円程度の「会費」を支払い続ける必要があります。これらの金額は登録する司法書士会によって変動します。

3 最低限必要なもの

事務机とイス、応接テーブルとソファ、書棚、パソコン、プリンター、その他のIT備品、文房具等をそろえる必要があります。こちらは共同事務所を使うことにより費用を軽減できます。

4 通信費

通信費の内訳は固定電話、携帯電話、FAX、インターネット回線です。FAXはプリンター複合機で代替することができます。

5 ホームページの作成

今の時代、司法書士がホームページを持っていることは当たり前になりました。ホームページがないと信用されません。ホームページやブログで集客手段しましょう。ホームページの作成を業者に依頼すると、30万円~50万円とかなりの出費になります。ホームページに必要な「ドメイン」や「サーバー」を維持する経費は、年間6000円~1万円程度です。ホームページを自分で作成できると、用意するべき開業資金をかなり削減することができます。

6 開業後の当面の運転資金と生活費

経営が軌道に乗るまでの間の生活資金を準備しましょう。半年~1年程度の生活資金が必要です。

7 司法書士は比較的安く独立可能

専用機材を必要とする診療所開業などと比較して、司法書士は安く開業することができます。生活資金を除けば、50万円~150万円程度で独立開業することができるでしょう。

3 開業資金はどのように準備したらよいか

ここからは、開業資金の準備方法について解説します。

1 自己資金か融資を受けるか決める

開業資金を準備する方法として、自己資金によるか融資を受けるかの2つあります。それぞれのメリット、デメリットをご紹介します。

自己資金のメリット、デメリット

借金をしないので安心感があります。しかし十分な資金がないことが経営上の制約になるかもしれません。経営の借金と生活の借金は意味が違います。経営でもっとも重要なことは借金の有無ではなく経営の健全性です。自己資金であれ融資であれ、収支が回らない経営は早晩行き詰まってしまいます。

融資のメリット、デメリット

融資で豊富な資金を確保しておけば、機動的な経営が可能になります。一方で借金をしていることに対する心理的な負担があるかもしれません。

2 融資を受けるなら日本政策金融公庫の新創業融資制度を検討してみては?

民間の金融機関を検討する前に、公的な創業支援融資制度を検討しましょう。日本政策金融公庫の新創業融資制度と地方自治体の融資制度を検討しましょう。

日本政策金融公庫の新創業融資制度とは?

無担保・無保証で利用できる創業支援制度です。司法書士事務所を新規に開業するのであれば融資条件を満たすでしょう。緩やかな返済条件のもとで、3000万円までの融資を受けられます。

司法くんで多数の実績があるIT導入補助金とは?

中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。司法くんでは対象事業者に選定された際には、これから司法書士システムを導入される皆様へ活用できるようサポートしております。

利用例はこちら → あなん司法書士事務所

         上田桂司法書士事務所

4 開業するまでにすべきこと

資格を取得してから開業までの数年間にやっておくべきことを解説します。

1 開業に必要な下積み期間と適齢期

資格取得後開業までの修業期間は1~5年が目安です。2年以内の開業と3~5年以内の開業がそれぞれ全体の3割を占めています。年齢と関係なくだれでも開業できます。

2 独立までにできるだけ多くのネットワークを作る

不動産業者と懇意になれば、不動産登記の仕事を定常的に請け負えるでしょう。弁護士に知り合いがあれば、弁護士の仕事の一部を受け持つこともできるかも知れません。経営者にとって人脈は非常に重要な財産です。

3 独立開業後のビジョン・イメージを描く

独立後にどのような事務所を経営したいのか、経営理念・ビジョン・イメージを描きましょう。経営理念を明確化することで、独立後の経営に軸を作り、整合性のとれた判断を行えるようになります。

4 初期費用を抑えるためにブログやSEO対策に関する知識を身につける

Webを上手に活用すれば、少ない費用で集客効果をあげられます。SEO対策を勉強してブログをまめに更新すれば、ほとんど資金を使うことなく集客することも可能です。

5 開業の具体的な準備

開業の具体的な準備について解説します。

1 開業までのスケジュールを立てる

スケジュールを立てることで開業準備をスムーズの行うことができます。スケジュールを立てる意味はそれだけではありません。スケジュールを立てることで、開業に必要なことを明確化できます。

2 事業計画・開業資金計画を立てる

開業準備資金をいくらにするのか、どのように調達するのか、開業1年目、2年目、3年目までの収支はどうなるのか、こうしたことを計画します。融資を受ける場合、事業計画の作成は必須です。自己資金で開業する場合でも、事業計画を作成することにより事業に失敗するリスクを軽減できます。

3 事務所探し

自宅を事務所にするのか、共同の事務所設備を使うのか、マンションを借りるのかなど、事務所の形態に合う物件を探します。駅前など、顧客に来てもらうのに便利な場所を用意したいものですが、そうした場所は家賃が高くなります。利便性とコストのバランスを取りましょう。

4 独立した先輩の話を聞く

独立した先輩の話を聞いたり、Web上の事例を読んだりすれば、開業をした後のことを具体的にイメージできるようになります。積極的に同業のネットワークを作っていきましょう。

6 開業後に必要な手続きのまとめ

開業後には必要な手続きがいくつかあります。

1 司法書士会への届出

司法書士として営業するためには司法書士会に登録する必要があります。登録後毎月会費を支払う必要もあります。費用は登録する司法書士会によって異なります。

2 開業届・銀行口座開設

税務署に開業届けを提出し、法人としての銀行口座を開設する必要があります。クレジットカードを用意する必要もあるでしょう。登録情報提供サービスの引き落とし、高速道路のETCやガソリン代などカードの用途は多いので、ポイントが多いカードがあるとお得です。

7 まと

以上、司法書士の開業資金について解説しました。司法書士として開業すること自体は難しいことではありませんが、事務所経営で成果を上げるに手腕が必要です。経営の勉強と日々の努力を欠かさず努力を続けて下さいね。

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