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地方で司法書士として開業するためのポイントをご紹介

自分が生まれ育った地方で暮らし続けたい、もしくは自然環境に恵まれた地方に移住したい、といった希望から、地方での開業を考える司法書士も多いことでしょう。地方での生活には都市部にはない、多くの魅力があります。しかし、その魅力を堪能できるのは、仕事がうまくいってからのことです。この記事では、司法書士事務所を地方で開業する場合の、仕事上のメリット・デメリットを見たうえで、司法書士として地方で開業して成功するためのポイントを紹介します。

1 司法書士が地方で開業するメリット・デメリット

2019年現在の県別の司法書士の人数をみると、東京都がもっとも多く4千人以上ですが、秋田県や鳥取県など大都市圏ではない地域では100人前後です。司法書士に対する需要には都市部と地方で偏りがあります。地方では少ない需要を少人数の司法書士がカバーすることになり、そこにはメリットとデメリットがあります。

1 地方で開業するメリット

地方は司法書士が少ない地域なので、競争相手も少ないと言えます。地方では、都市部とは違い、濃密な人間関係の中で継続的に仕事を回す傾向があります。地方は物価が安いので開業費用も安くて済みます。

ライバルが少ない

都市部には司法書士が扱う仕事がたくさんありますが、司法書士事務所も多いです。都市部での開業に成功するためには、多数の事務所に埋没しない差別化が必要です。地方では同業者が少ないので差別化する必要がそれほどありません。

人脈があれば仕事に困らない

どこで開業するにせよ、司法書士事務所を開業するということは、一人の経営者になることです。経営者として仕事を獲得しなければなりませんが、そのためには人脈が欠かせません。地方で司法書士事務所を経営するうえで、人脈づくりは非常に重要です。地方では案件ベースではなく人ベースで仕事を回す傾向があります。仕事が回ってくる人の輪に入るのは難しいですが、一度人脈ができれば、そこまで苦労せずに仕事を獲得できるようになります。

少ない予算で開業できる

地価が安い地方では、開業に必要な資金が都市部より少なくて済みます。都市部でお金をためて物価の安い地方で開業するのは合理的と言えます。

2 地方で開業するデメリット

地方は経済規模が小さいので、仕事の規模も小さくなりがちです。総合的な法律相談が求められるために、特定分野の専門性を磨くことには適していません。

収入が少ない

地方は、都市部と比べて経済規模が小さいので、仕事が質・量の両面で小さなものになりがちです。業務範囲や担当エリアを拡大することで、案件数を増やすことでこの問題に対応できます。

専門性が高い仕事が少ない

地方の司法書士に求められる役割は法律相談のジェネラリストです。広く浅く知識をカバーすることが求められるため、司法書士として特定分野に注力するには不向きな環境です。一方で、広い視野で経営全般を考えて法律相談を展開するのには向いている環境です。

司法書士業務の幅広さ

地方の司法書士事務所の経営環境は、都市部の司法書士事務所の経営環境とは大きく違います。地方は、少ない案件を、少人数の司法書士が処理する地域です。一人の司法書士が幅広い案件を扱う必要があるため、守備範囲の広さがものを言います。

2 司法書士が地方で開業するときの成功戦略

地方は固定的な人間関係の中で仕事が回る地域です。仕事を回し合うネットワークに参画するための、人脈づくりはとくに重要です。広い守備範囲を持ち、多様な人脈を築くためには、事業分野の拡大や司法書士以外の活動が重要です。

1 緻密な人脈を作る

地方では、伝統的なしきたりや、昔から形成されてきた人間関係の中で仕事が回っていく傾向があります。地方で司法書士が成功するためには、そうしたネットワークの中に自分の立ち位置を獲得する必要があります。地方は、一度立ち位置を獲得してしまえば、経営を安定させやすい環境と言えます。

2 幅広い分野に精通しておく

地方で司法書士事務所が成功するために必要なことは、専門性による差別化ではなく、広い範囲の案件を扱えるようになることです。地方で司法書士事務所に期待されることは、法律に関することならなんでも相談してもらえることです。

3 司法書士以外の活動をする

司法書士が地方で成功するためには人脈形成がとくに重要です。町議会や市議会とパイプを持ては、地域の人脈に深く食い込めます。そのためには地域の仕事や行事に参加することも有効です。町会長の仕事を買って出たり無料法律相談会に参加したりすることも有益です。さまざまな活動を通じて「地域における法律の専門家」の立場を確立しましょう。

4 開業支援を積極的に利用する

司法書士の開業を助ける、さまざまな支援制度があります。日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用すれば無担保・無保証で3,000万円までの融資を受けることができます。地方自治体も独自の融資制度を設けているので、開業したい地域の自治体に問い合わせてみると良いでしょう。その他、自治体による創業相談窓口、創業セミナー、移住者支援制度なども活用できます。相談は地方で人脈を作ることにも役立ちます。

5 常に情報のアンテナを張っておく

競争相手が少ない地方都市でも、大手事務所の進出が徐々に始まっています。大手事務所に対抗しうる強みとして、コンサルティング機能の強化が考えられます。単に広い範囲の業務をこなせるだけではなく、お客様の悩みをともに解決していく機能です。お客様の相談に答えるためには、常にアンテナを広げ、世の中で起こっているニーズをキャッチしていかなければなりません。

6 事業拡大も視野に入れる

最初は一人で開業したとしても、より広い範囲のニーズに対応するためには、どこかの段階で事業を拡大して分業体制に移行することが必要になります。開業の段階から、将来の事業拡大を視野に入れて業務体制を組みましょう。創業時には経費節減の必要性から、なんでも一人で行いたくなりますが、人手を借りられるときには借りる習慣を身につけるほうが有利です。人手を借りることは仲間を増やすことにもつながります。

7 ホームページ

開業と同時にホームページの開設を行うことも重要です。そのとき意識したいのがSEO。ほとんどの場合“司法書士 地域名”で検索をかけるので、開業場所の地名や最寄りの駅、対応エリアなどを盛り込むこで検索上位に表示されます。また開設したばかりのときは閲覧数が少ないことから上位表示が難しい場合は、検索広告などを利用することも検討してもいいかもしれません。表示順位でクリック率は大幅に変わるからです。

また開業した周辺や対応エリアに居住する方からの相談はもちろんですが、意外に意識したいのが対応エリアに親族や財産を持つ、特に都市部に在住する相談者たちからの検索を利用したお問合せ。ただホームページを開設するばかりでなく検索してほしいキーワードを軸にSEO対策を行うことも大切です。

3 司法書士が地方で開業する前に準備しておくこと

司法書士試験に合格してから司法書士事務所を開業するまでに数年の修業期間を置くのが一般的です。地方で司法書士として開業する前に準備しておくことを解説します。

1 パラリーガルとして経験を積む

将来司法書士として活動したい場合、パラリーガルとして働きながら資格取得を目指す方法があります。法律事務所や司法書士事務所が、パラリーガルの求人を出しています。資格取得のための勉強と業務を両立させるうえで、有利な仕事と言えるでしょう。

2 独立した先輩の体験談を聞く

司法書士試験に合格してから開業するまでに、すでに独立した先輩の体験談を聞いておきましょう。事務所の経営は地道な作業の連続であり、とくに重要なのは仕事の獲得、つまり営業活動です。いつから開業準備を始めれば良いのか、どうすれば仕事をとれるのか、実際に効果があった営業活動は何か、など具体的な体験を聞くことで、将来に対してイメージが湧きます。地方の起業相談などは、そのまま人脈づくりにつながります。

3 開業するエリアの事前調査を綿密に行う

開業する地域のニーズや、特性に合った司法書士事務所を開設すれば、開業後に経営が成り立つ可能性が高まります。おもな顧客をイメージして、場所や内装を考えるときには、イメージした顧客が来やすいように注意します。地方で開業する場合、市会議員、町会議員、市長、町長、商工会議所のメンバーなど、いわゆる地方の名士の情報を調査して人脈づくりに役立てることも重要です。

4 まとめ

以上、司法書士が地方で開業するときに、注意するべきポイントをご紹介しました。地方の司法書士には、地域の法律全般に関する相談先としての役割が期待されます。人脈を作ること、幅広い分野に精通し、さまざまな相談に応じられる力をつけることを念頭において開業すれば、地方での開業に成功する可能性が高まります。

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