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司法書士は独立するとどのくらいの年収がもらえる?司法書士の将来性をご紹介

司法書士の資格を取ろうと考えている人であれば、どの程度の年収を見込めるのかは気になるところです。年収だけではなく、司法書士の仕事が将来的にどうなっていくのかも気になります。司法書士の年収と将来性について解説します。

1 司法書士をとりまく時代の変化

司法書士の仕事も時代の中で変わってきました。近年、司法書士世界で起こった重要な変化をご紹介します。

1 インターネットの普及

インターネットが普及したことにより、司法書士もホームページやブログを通じて潜在的な顧客に向けて、直接情報を発信できるようになりました。今後はこうしたインターネットを活用した集客手段も重要になっていきます。

2 規制の緩和

2003年の規制緩和により、司法書士事務所を法人化できるようになりました。その結果、大手司法書士事務所が次第に増えてきました。大手事務所は都市部、とくに東京に集中しています。大手事務所の中には登記業務を合理化して件数を稼ぐ、「登記工場」と呼ばれる事務所もあります。都市部で開業する場合、登記の価格競争でこうした事務所に対抗するのは非常に難しいでしょう。都市部で開業する場合はなんらかの得意分野を持つ必要があります。

3 司法書士は増加している

司法書士は増加しています。司法書士の人数は2013年の20,979人から、2023年のには23,059人まで、10年間で2,080人、約10%増えました。近年は毎年1,000人を超える司法書士が新しく生まれ、700人程度登録を取り消しているので、毎年300人ずつ増えていることになります。登録取消者のうち廃業は毎年500人程度です。

2 司法書士の年収

司法書士はどれくらい稼げるのでしょうか?司法書士の年収についてご紹介します。司法書士の働き方には大きく分けて2つあります。司法書士事務所に勤め、会社員として働く勤務司法書士と、独立して司法書士事務所を営む開業司法書士です。以前は開業するのが常識だった司法書士ですが、大手司法書士法人の台頭もあり、近年勤務司法書士を続けるケースも増えています。司法書士の年収を勤務司法書士と開業司法書士に分けてご紹介します。

1 勤務司法書士の年収

司法書士事務所で、会社員として働く司法書士を勤務司法書士と呼びます。勤務司法書士の年収は、一般のサラリーマンとあまり変わりません。年収のみを考えるのであれば、資格を取得するために勉強する必要がある分だけ、勤務司法書士は不利と言えそうです。

・初任給は一般的なサラリーマンと変わらない

勤務司法書士の初任給は一般的なサラリーマンとあまり変わりません。小さな司法書士事務所で働く勤務司法書士の初任給は月収20万円程度です。ボーナスは少ないので年収に直すと240万円程度です。大手司法書士法人や、東京の司法書士事務所に勤める場合、初任給は月額25万円~30万円です。やはりボーナスは少ないので、年収に直すと300万円~360万円です。平均的なサラリーマンと同程度か少ない金額です。

・年齢は評価されないが勤続年数は評価される

勤務司法書士を続けていけば、経験年数によってしだいに収入が増加します。経験を積みさまざまな役職をこなしている間に年収が上がっていき、50代で年収約650万円程度となり、ピークを迎えます。

・年収はサラリーマンとあまり変わらない

勤務司法書士はサラリーマンと同じように安い初任給から始まり、勤務を続けるうちに責任が重い役割を果たすようになります。サラリーマンと同様次第に年収が上がっていくシステムです。金額を見ても、初任給であれ、勤続年数による増加であれ、サラリーマンとあまり変わりません。

2 勤務司法書士のメリットとデメリット

収入については大きなメリットがありません。遅い段階で資格を取得して勤務司法書士になった場合、キャリアが振り出しに戻ってしまうので、サラリーマンを続けた場合よりかえって年収が少なくなるかもしれません。一方、勤務司法書士の開業司法書士に対するメリットは安定的に収入が得られることです。

3 開業司法書士の年収

今日でも司法書士の資格取得者の多くは独立開業を目指しています。開業司法書士の年収は勤務司法書士よりは多いと言えますが、経営手腕により稼げる金額には大きな開きが出ます。

・平均年収は600万円前後

開業司法書士の年収は600万円前後です。開業してしばらくは仕事が入らずに苦しい時期をしのぐことも多いですが、仕事が軌道に乗り始めると、紹介が紹介を生み、年収は勤務司法書士よりも速いペースで増加します。開業司法書士の年収は50代で850万円程度となり、勤務司法書士よりも200万円程度多くなります。

・年収2,000万円は可能?

2021年の司法書士白書から開業司法書士の年収を見てみましょう。年収1,000万円以上の司法書士は、12.8%を占めます。年収2,000万円以上の司法書士も中にはいることでしょう。高額年収の司法書士がいる一方で、年収500万円未満の司法書士の比率は半数以上を占めます。開業司法書士の年収は、各自の経営努力によって大きく変わるのです。

4 開業司法書士のメリットとデメリット

開業司法書士は同年齢の勤務司法書士よりも平均年収が200万円程度多くなります。しかし、開業司法書士の年収は個人間でバラツキが大きいので注意が必要です。事務所を経営しているので時間の使い方を自分で決めることができます。ゆとりのある生活をするために地方で開業する司法書士もいます。経営がうまくいかないと収入が低くなってしまったり、廃業に追い込まれたりするリスクがあります。

3 司法書士の将来性

これから司法書士を目指す人のために、司法書士という職業の将来を展望してみましょう。

1 登記案件の減少とIT化・AI化

司法書士の主な仕事は不動産や法人などの登記です。両方とも最近の10年間で30%前後減少しました。原因として人口減少などの理由で経済活動の規模が縮小したことが考えられます。インターネットをはじめとするITを使って自分で登記をする人も増えています。IT化・AI化は今後も進むと考えられます。司法書士の業務のうち、定型化が可能なものは、次第に機械に取って代わられることでしょう。

2 新しいサービス分野

登記案件が減る一方で、司法書士に対する新たな需要も出てきています。高齢化が進んでいるので、成年後見業務や財産管理業務が増えてくる可能性もあります。2024年4月より相続登記の義務化も始まりました。認定司法書士の資格を取れば、簡易裁判所で扱われる一部の民事事件に対して、弁護士と同じように代理業務を行うことができます。

3 行政書士との比較

司法書士とよく似た資格に行政書士があります。司法書士が登記、簡易裁判所での訴訟代理人、成年後見や財産管理を行うのに対して、行政書士は官公署に提出する認可申請書の作成や官公署での手続きの代理を行います。行政書士の平均年収も600万円程度で司法書士と変わりません。しかし、結局のところ年収を決めるのは各自の経営手腕です。行政書士と司法書士、両方の資格を取って営業する事務所もあります。

4 まとめ

この記事では、司法書士の年収と将来性についてご紹介しました。司法書士事務所を構えるだけで収入が保証されるわけではありませんが、適切に経営すれば高額年収を期待できます。登記件数が減少する中、司法書士事務所の経営に成功するためには、新しい分野もカバーする必要があるでしょう。

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