令和3年に文化審議会国語分科会から『新しい「公用文作成の要領」に向けて』出された報告書が出されました。昭和 27 年に出された「公用文作成の要領」の見直しが目的です。
多様化する媒体や変化していく日本語、そして読み手がわかりやすい平易な日本語で書かれた公文書の作成を積極的にすすめていくガイドラインです。平易で多様化する読み手に伝わりやすい公用文の作成が求められています。
表記や用語の用い方、読み手への配慮が必要
公用文表記の原則を理解した上での運用はもちろんですが、より伝わりやすく親しみやすい文書作成について、日々の業務でも意識されているでしょうか。
現行の要領で主な対象となっているのは表記や用語について。漢字表記、送り仮名を配慮し、それらに加えて、伝わりやすい文書を書くために役立つ考え方を示すことが望ましいとされています。
漢字を多用せず、ひらがな表記や送り仮名を増やすだけでも、やさしいやわらかい文章になるので、メールや手紙でも気遣いをするだけで印象が違ってきます。
・ 常用漢字表に字種と音訓がある漢字であっても、文書の目的や想定される読み手に応じて、
平仮名で表記したり、振り仮名等を用いたりする例
狙い → ねらい
分かる → わかる
又は → または
御意見 → ご意見
・ 複合の語の送り仮名において、公用文では「送り仮名の付け方」の「許容」を用いること
となっているが、文書の性格や対象となる読み手に応じて「本則」で表記する例
贈物 → 贈り物
貼付け → 貼り付け
雇主 → 雇い主 等
法令も広い意味では公用文の一部
法令と公用文においては、表記の一致が図られてきた歴史があります。
法令用語や行政特有の言葉をそのまま用いる方が効率的ですが、本来公用文は、日本で日本語を用いて生活している人であれば、誰でも読めて理解できるものとすべきとされています。
今作成している文書は依頼人にもわかりやすいものでしょうか。移ろう日本語にあわせた文書でしょうか。ガイドラインの改訂が示す通り、文書作成の際に使われる日本語の表記の仕方や言い回しは、ますます読み手を意識していくことが大切にされていくでしょう。
「伝わる文書」をつくる強い味方 一太郎
読みやすく、わかりやすい文書作成の強い味方が一太郎です。
一太郎は、ジャストシステムが販売する日本語ワープロソフト。日本語ワープロソフトというだけあって、日本語文書の書類作成に特化しているため、司法書士の中には一太郎ファンが多くいます。
公用文書の作成に一太郎を選ぶ司法書士も多く、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の作りやすさ、罫線が入る文書では特に使い勝手がいいようです。
主な機能としては”Advanced Technology Of Kana-Kanji transfer”の頭文字をとった「ATOK(エイトック)パレット」。快適な日本語入力・変換を実現する日本語入力システムです。入力傾向にあわせて変換がパーソナライズ化されていきます。
他にも先に紹介、70年ぶりに改訂された「公用文ルール」への対応、こちらも8年ぶりに改訂された『三省堂国語辞典第八版』の搭載、文章校正の指摘精度のさらなる向上。またデータベース機能としても膨大な数の単語登録や合併が行われた市町村の名前、官公庁名、企業名、全株・後株のチェックなど変更された名称を指摘して、新しい名称を表示するなど一太郎だけで正確で最新データの書類作成が可能です。
司法くんは一太郎が利用できる
司法くんではWord、そして一太郎が利用できます。
一太郎に関しては数ある司法書士業務支援システム、ソフトの中で唯一利用することができます。
司法くんは一太郎ユーザーに選ばれるソフトともいえます。
司法くんのおすすめの機能やサービス内容をお願いします。
DOSの時代からそうですが、一太郎(Wordもですが)の連携はとても便利です。
司法書士吉原事務所 吉原 嘉満様インタビューより
自動作成後の修正も簡単ですし、雛形の作成の自由度も高いですね。
登記の委任状など、かなり独自のアレンジをしたものを使ってます。
『司法くん』を使っていて、これは便利だと思う機能は?
ワードと一太郎の両方のワードソフトを使用できるところです。一太郎の方が文書作成については便利なため重宝しています。
うしく中央司法書士事務所 岩田 哲孝様インタビューより
刻々と移ろっていく日本語に寄り添うソフトを頼りに、文書作成や法律や専門用語に詳しくないお客様にわかりやすい言葉を紡いでいくのも文書作成を仕事にする司法書士にとって、大切な課題のひとつかもしれません。
司法くん