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司法書士として、開業する前に準備しておきたいこととは?

司法書士として経験を積み、独立する意思が固まったら、早い段階から準備に取り掛かりましょう。開業するに際して、何から準備して良いか迷う方も少なくありません。この記事では、事務所の開業準備に役立つ「これだけは最初に決めておくべきこと」「開業スタイル」「特に注力するポイント」についてまとめています。

1 事務所を構える前に

ここでは、事務所を構える前に考えておきたい5つのポイントをご紹介します。司法書士は、最低限の備品があれば開業できます。しかし、開業する前に念入りに計画を立てて準備する必要があります。独立した先輩の体験談を参考にするのもおすすめです。

1 事務所の理念を明確にする

司法書士として開業する前に、経営理念や専業理念と呼ばれる「理念」を考えなければなりません。明確な目標に基づいた上で、リスクを伴う独立という道を選んだはずです。目標を理念として短文にまとめ、多くの人に伝わるようにしましょう。理念は、「法律を介して地域の人を支えたい」「今まで無かった分野に特化した司法書士事務所をつくりたい」等の公共的な意義を持つものが望ましいです。また、お客さんに対してだけでなく、従業員のことも考慮した理念も策定しましょう。事務所の労働環境が良くないと、お客さんにも伝わることに加えて、従業員の口コミによって評判が下がる可能性もあるからです。

2 事業計画書の作成

開業するに際して、事業計画と資金計画を立てる必要があります。特に、金融機関から融資を受ける場合は、事業計画書の提出を求められます。「〇年間で、これだけの利益を見込んでいるため、いつぐらいにお金を返せる」と、根拠を元に具体的な数字を提示しましょう。開業後のビジョン・プランが定まったら、リスク分析を行い、対策を複数立てることが重要です。事業計画書は、インターネットで検索すれば、テンプレートをダウンロードすることができます。

3 開業資金をどうするか

開業資金を集めるに際して、「自己資金」「融資」「親や知人に借りる」方法があります。一般に、創業融資は借りておいた方が良いといわれています。赤字でも黒字でも、資金が必要になる可能性が高いからです。日本政策金融公庫は、創業者に対して無担保・無保証で3,000万円までお金を貸してくれる制度があるため、融資を受ける際に適しています。一方、親や知人に借りた場合、融資の実績を積めないことに加えて、金銭トラブルに発展する可能性があるため、あまりおすすめはできません。

4 開業資金の目安

事務所の開業資金は、開業スタイルやエリアによって、大きく変わってきます。とはいえ、一般的に200万円未満で開業できます。注意しなければならないのは、開業前の資金より、「開業後の資金」です。司法書士に限らず、独立開業する際は、半年~1年分の生活費を用意しておくことが推奨されています。可能であれば、運転資金も視野にいれておけるといいでしょう。開業は、予定以上に資金が必要になる場合や、予期せぬアクシデントがつきものです。予算より少しでも多く貯蓄しておきましょう。

5 事務所を構えるエリアを決める

事務所を構えるエリアは、今後の営業スタイルに関わってくるため、良く検討しなければなりません。都心であれば、ライバルが多いため、自分が強みとする専門分野を持つ必要があります。地方であれば、地元の人と密に関わり、少ない人口の中でより多くの依頼に応えるために、幅広い分野に精通しておくことが求められます。

2 開業スタイルとメリット・デメリット

ここでは、4つの開業スタイルと、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。賃貸とレンタルオフィスの違いは、「費用」「設備」「サービス」の違いです。レンタルオフィスは、これらの3つが賃貸よりも優れています。

1 自宅

自宅を事務所にするメリットは、「開業資金や運転資金を最低限に抑えられる」点と「通勤が不要になる」点があげられます。また、「家事や育児と両立しやすい」点も大きな魅力です。デメリットは、「お客さんを呼びづらい」点です。顔見知りであれば問題ありませんが、新規のお客さんが自宅兼事務所に訪問するのは、どうしてもハードルが高くなってしまいます。また、自宅と住所が一緒であるため、お客さんとの距離感に注意しなければなりません。直接クレームを言いに来る可能性もあるため、対策を立てておいた方がいいでしょう。

2 賃貸

賃貸の事務所を選択すると、がらんどうの状態からのスタートとなります。従って、「自分の使いやすいように改装できる」点がメリットとなります。また、自分の事務所のみの空間となるため、「プライバシーやセキュリティを高くできる」点は、司法書士という仕事柄、重要なポイントとなります。従来は、開業や起業の際に賃貸の事務所が一般とされていましたが、他の開業スタイルと比較して、「初期費用が高い」というデメリットから、躊躇する人も増加しました。不動産会社に仲介を依頼するため、敷金礼金・保証金・前家賃・仲介手数料が発生し、さらに備品を揃えるとなると、莫大な費用がかかってしまいます。

3 SOHOマンション

SOHOとは、「Small Office Home Office」の略で、小規模の自宅兼オフィスのことをさします。メリットは、通常の事務所を借りるより、「初期費用が安価である」点です。通常の事務所が6ヵ月~10ヵ月の保証金が必要であることに対し、SOHOマンションは3ヵ月程度の支払いで済むからです。また、フリーレントがあれば、前家賃は不要です。これらのことから、通常の事務所より、80万程度安く借りられることもあります。デメリットは、通常のオフィスビルと異なり、専有面積のみで見ると「執務スペースが小さい場合がある」点です。自宅を事務所にするか迷っている方には、SOHOマンションも視野に入れても良いでしょう。

4 レンタルオフィス

レンタルオフィスのメリットは、駅チカが多く「アクセスが良い」点です。また、オフィス家具が完備されており、共有スペースで受付やOA機器を利用することも可能であるため、「コストを削減」できる点も、嬉しいメリットです。一方、デメリットは、レンタルオフィスによっては、安価なパーティションで仕切られているところもあり、「騒音や情報管理に悩まされる可能性がある」点です。また、共有スペースでレンタルするサービスや備品は有料であるため、各レンタルオフィスのプランやパッケージを比較する必要があります。

3 特に力を入れたいポイント

ここでは、開業の前に特に力を入れたい2つのポイントをご紹介します。パソコンとプリンタの選び方や、営業活動のヒントをまとめています。

1 パソコンとプリンタを厳選する

備品を全て揃えようとすると莫大な費用がかかってしまうため、最低限必要なものから準備しましょう。パソコン、プリンタは、司法書士業に必須の備品です。「Core i3以上のCPU」「8GB以上のメモリ」「20~23インチ程度のディスプレイでフルHD(1920×1080)」「ノングレア液晶」のパソコンがおすすめです。プリンタは、低価格のものもありますが、司法書士業はプリント枚数が莫大なため、性能の良いレーザープリンタの方がストレスなく使えます。

2 綿密な営業活動 

営業活動は、開業してからではなく、早い段階から行う必要があります。特に「人脈づくり」は重要です。取引先となる不動産会社や金融機関だけでなく、弁護士や税理士、行政書士等の士業と人脈をつくっておくことはもちろん、お客さんになるとは限らない人とも交流しましょう。取引先とは関係なくても、人づてで仕事を紹介されるかもしれません。また、チラシやニュースレターを配って、幅広い年齢層にアピールすることもおすすめです。

3 ネットを積極的に利用する 

SNSを有効活用し、プロにHPを任せることも、営業活動のポイントです。掲載の写真もプロに任せると安心です。お店に行く場合でも事前にネットで調べてから行くというのが当たり前の習慣となってきました。今は司法書士探しもどんな司法書士か調べるのもネットを利用する方が増えてきました。HPやSNSも更新することが大切です。例えば事務所の柱として相続登記を推していきたい場合は相続案件のことを相談者の目線になって、わかりやすい文章やコラムで発信することなど心がけてみましょう。

4 まとめ

司法書士は、開業こそ最低限の資金で実現できますが、準備しなければならないことが山ほどあります。開業を成功させるためにも、早めに準備することが大切です。

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